幼児教育の充実を図るため、昼間には地域の幼稚園に通園しています。
また、里親の方々との交流として、食育に通じた畑活動やどろんこ広場での活動などがあります。そしてボランティアの方々の協力による絵本の読み聞かせや工作活動、行事交流などもあります。ミュージック・ケア(音楽療法)といった発達促進を目的とした活動もあります。
児童養護施設双樹学院は戦災孤児の養護育成を目的として1945年に設立されました。現在、両親のいない児童、虐待を受けている児童、その他環境上養護を必要とする児童(定員60 名)を受け入れています。
近年、複雑多様化する家族問題をはじめ、社会・経済状況の変化から家庭や地域社会における子どもの養育機能は低下している状況にあり、児童養護施設に入所してくる子どもの中には虐待を受けた子ども、情緒障がい、発達障がいなどを抱える子ども等、より手厚い援助・支援が必要となるケースが増加しています。
こうしたなか双樹学院は不適切な環境におかれている多くの子どもたちを受け入れ、子どもたちの権利擁護の場として、愛情と責任感を基に、子どもたちの幸せと心豊かで健やかな成長を見守り、その社会的な自立を支援しています。
児童養護施設は児童福祉法に定められた施設です。
[児童福祉法第41条]
児童養護施設は、保護者のいない児童(中略)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。
学院では2才から20 才までの児童で、さまざまな環境と生活体験の差、それにともなう発達段階の差異のある子どもたちを受け入れ養育しています。
子どもたちが家族的な雰囲気のなかで安心感をもって、生活できるよう努めるとともに、集団の中で個性を生かせるような生活環境づくりを心がけています。
日課と生活は、年齢に応じた生活リズムの中で、基本的な生活習慣を身に付けることから始まり、人間関係学習、創造活動学習などが行なえるよう計画されています。適切なケアのもと、子どもたちは社会的な自立または家庭復帰に向けて生活をしています。
生活グループを二つの寮制として、児童構成は兄弟姉妹方式をとっています。寮は、子どもたちにとって生活の場です。できる限り家庭に近い落ち着いた雰囲気の中で、生活を送れるよう心を配っています。子ども4~5名に対し職員1 名の割合で共同生活をしています。その他、よりきめ細かい支援を必要とする子どもたちのために、平成29 年度には小規模グループホーム「有隣(ゆうりん)」、令和4 年度には「栴檀(せんだん)」ができました。
起床・洗面・掃除
朝食
登校
下校
学習(宿題・公文)
掃除・夕食・自由時間
入浴・おやつ
幼児就寝
小学生就寝
中学生以上就寝
※休日は別の日課です。
幼児教育の充実を図るため、昼間には地域の幼稚園に通園しています。
また、里親の方々との交流として、食育に通じた畑活動やどろんこ広場での活動などがあります。そしてボランティアの方々の協力による絵本の読み聞かせや工作活動、行事交流などもあります。ミュージック・ケア(音楽療法)といった発達促進を目的とした活動もあります。
子どもたちは毎日校区の小・中学校や近隣の高校へ通っています。しかし、これまでの養育環境によって学力が十分でない子どもや発達障害等を抱える子どもなど難しいケースについては、学校と連携を密にした学習指導を行なっています。
また日常の学習とは別に学習塾への通いや家庭教師による個人学習指導を行なっています。
その他、学院の重要な学習指導として、公文式教育、ピアノ、川柳会、情報端末機学習を取り入れるなど、子どもたちの健全育成を心身両面から支援しています。
心の課題を抱えている子どもについては、常勤の心理士と非常勤のカウンセラーがケアにあたっています。また通常のカウンセリング等に加え、音楽療法(ミュージック・ケア)や動物介在活動(ホースセラピー)など新しい試みにも取り組んでいます。
虐待などの理由によって心理的な問題を抱える子どもの数は年々増加してきており、施設における心理的ケアはますます重要になってきています。
年間を通して、七五三、節分、ひな祭り、餅つきなどの季節行事、キャンプ、海水浴、遠足等の野外活動、職員や子どもたちの部会活動による誕生会、年送り会、お好みまつり、お別れ会など様々な行事を催しています。また地域行事への参加や里親、ボランティアの方々との交流なども積極的に行っています。子どもたちは、これらの年間行事や地域の方々との交流を通して、情操を豊かに、社会性を育みます。
家庭の食卓の雰囲気作りを心がけ、食事摂取基準の必要量を充たした美味しく安全な食事の提供に努めています。
その他、食育の一環として、基本的な食事マナー以外にも、学院内の畑で収穫した旬の野菜や地域の伝統食・行事食を積極的に取り入れるなど、食材や食文化についての理解を深めることにも配慮しています。
嘱託医が健康管理にあたっています。このほか必要に応じて医療関係機関を利用し、子どもたちの健康維持に努めています。